ヘッドライトがキチンと点灯していて、見た目明るいのに車検の基準をクリアーできないHIDバルブ。
ハロゲンバルブは、寿命になるとフィラメントが切れて点灯しなくなるので、交換時にお客様もご納得されやすいのですが、HIDバルブは、点灯しないのではなく寿命が近づくにつれ暗くなっていく。
一般的にHIDバルブの寿命は約2000時間。1日2時間使用した場合は、3年で明るさが新品に比べて70%ほど低下するそうです。

左が古く、右が新しいバルブ。車検基準はハイビーム(走行灯)で光度を測定するのですが、ヘッドライトがロービーム同時点灯タイプで12000cd、非同時点灯タイプで15000cd以上となっています。
今回古いバルブで、7500cdと基準値の半分しか光度が出なかったため交換となったのですが、このバルブが1個13000円(スタンレー製)という高額部品。ヘッドライトテスターで測定しなければ気付かない事をお客様にご納得頂き交換するのは大変です。
また、安価なバルブも引き合いに出されますが、D2R、D2S兼用で製造されているバルブなどは、リフレクタータイプのヘッドライトに使用するとグレア光という上向きの光が漏れて対向車や前方車が眩しかったり、UVカット機能が充分でないと、バーナーから出る紫外線でリフレクターが溶けたりと弊害が起こる場合があります。
ちなみに、ハロゲンバルブ2個で何百円という安価なものは車検対応と表記された新品の時点で10000cdに満たないものも多数あります。
良い商品が安いのなら買いですが、安物買いの…にならない様に気を付けましょう。